なぜ日本人は英語が苦手?「下手な英語が“カワイイ”なんて国は他にない」外国人のリアルな議論

日本人の英語力が、過去最低を更新しました。最新調査で日本は96位。「英語が苦手」という言い訳は、もう通用しない水準です。 この現実を、海外はどう見ているのか。Redditに集まった、容赦ない本音を追います。

どうやら日本人の英語力の低下が著しいらしい。記事によると、スイスの教育会社の発表した調査では、日本の英語能力指数が過去最低の96位の過去最低を記録し、韓国や中国にも差をつけられる結果となった。このニュースは海外でどう受け止められているのでしょうか?

世界最大級の掲示板・Redditでは、「間違いを許さない教育」「メディアが作る“空気”」「形だけの国際化」など、様々な角度からその原因が議論されています。

本記事では、海外の人々のリアルな本音を探るべく、Redditに投稿されたコメントを翻訳・紹介していきましょう。

過去最低の日本人の英語力

国際教育事業のEFエデュケーション・ファーストが発表した「EF EPI英語能力指数」で、日本の順位が過去最低の96位(123カ国中)に落ち込み、ラオス、ブータン、トルクメニスタン、ベトナムよりも下という結果に。

14年前の調査では、日本はかなり上位にいました。2011年には14位だったのに、その後はほぼ毎回順位を落とし続け、今年ついに過去最低の順位になりました。

なぜ日本の英語力は伸び悩んでいるのか? Redditのコミュニティ「r/japannews」に集まった、外国人のリアルな声を覗いてみましょう。本記事では、スレッドに投稿された様々な意見を、テーマごとに4つの章に分けて紹介します。

「間違いを許さない教育」- システムの問題

日本の英語教育が抱える根深い問題として、多くのユーザーが指摘したのが「間違いを許さない」という教育システムそのものでした。完璧主義が、かえってコミュニケーションの機会を奪っているのではないか、という厳しい意見が目立ちます。

学校のシステムよりも、メディアで作られてる「日本人は英語を話さない(話しちゃいけない?)」って国民アイデンティティのせいだと思うんだよね。それが当たり前で許されてる感じ。有名人が英語話すときはわざとらしく盛り上がるし、みんな基本的な挨拶レベルでも変な英語をわざと大げさにしてる。こういう考えがひっくり返らない限り、日本人が英語うまくなることは絶対ないし、「日本人らしさ」っていうのに、ちゃんと第二言語を使いこなすっていうイメージも入らないとダメなんだよね。 — Ballsahoy72 (246 upvotes)

このコメントは、日本の英語が「教育科目」として扱われ、実践的なコミュニケーションツールとして教えられていないという本質的な問題を浮き彫りにしています。この意見に、別のユーザーも続きます。

正直、これは全然意外じゃないよ。日本の教育システムって、英語も数学や理科と同じやり方で教えてるからさ。じっと座って完璧に暗記しろ、ミスは許されない、って感じで。記事にも書いてある通りだよ。これって日本語学校でもよくある教え方で、言語学習が「先生の教え方の上手さ」じゃなくて「どれだけ完璧に覚えられるか」になっちゃってるんだよね。yankee1nation101(62 upvote)

ほかの国だと、言語を学ぶときにその国や文化についても一緒に学ぶんだよ。例えばドイツ語を勉強したら、ドイツやスイス、オーストリアのことを当然知るし、スペイン語ならスペインや中南米のことを学ぶ。(中略) でもここ(日本)だと、英語で日本のことだけ話せるように教えられる感じ。言語と一緒に他の国や文化を学ぶんじゃなくて、「これはペンです」とか「スミスさんはたこ焼きを箸で食べます」みたいなフレーズだけ覚えさせられる。で、「I picked up my friend」って言い方を習って、「I picked my friend up」って言われると混乱しちゃう。だって英語をちゃんと知らない先生が、テストの答えは教科書にある一つだけって決めてて、それ以外は全部間違いにしちゃうからね。Drunken_HR(16 upvote)

実際に英語力の低下を肌身で感じる人もいるようです。

現場レベルでのスキルの低下がマジで目立つよ。何年も毎週レッスン受けてるのに、「How are you?」に自分で答えられない生徒に会うことが結構あるんだ。ヒントや助けがないと無理みたいな感じで。興味もやる気も理解しようって努力も本当に足りてないんだよね。ただ座って答えを与えられるのを待ってるだけ。— Underpanters (202 upvotes)

完璧な英語でなければ話してはいけない、というプレッシャーが、結果的に英語を話す機会そのものを奪っているという指摘です。こうした環境が、英語に対する苦手意識を植え付けているのかもしれません。

「下手な英語はカワイイ?」メディアが作る“空気”

教育現場だけでなく、メディアや社会全体が作り出す「空気」も、英語力向上を妨げる一因だと指摘されています。特に、片言の英語を「カワイイ」と持てはやす風潮には、厳しい意見が寄せられました。

国営のテレビでも、アイドルやインフルエンサーが片言の英語を話すのが「かわいい」って扱いされてるの、マジでビックリだよね。一方で韓国や中国、ベトナムのメディアだと、完璧な英語がかっこよくてステータスって感じで見られてるんだよね。unrealhoang(52 upvote)

このコメントは、英語が「ステータス」として見られる他国と、日本では全く逆の現象が起きていることを示唆しています。こうしたメディアの姿勢が、英語学習へのモチベーションを削いでいる可能性は否定できません。

中にはこんな皮肉めいたコメントも。

外国語が苦手なほうが、なんか日本人っぽく感じるんだよね。 — NoGarage7989 (143 upvotes)

多くの物事が自動化されることで、英語不要論も一定程度あります。それでもなぜ英語が必要なのでしょうか。

自動化で無理やりのやり取りは確かに減ったけど、好奇心ってただの個人の性格じゃなくて、文化に影響されるんだよね。交流にリスクがあると、好奇心は参加じゃなくて観察に向かっちゃう。旅行が「体験」じゃなくて「消費」って感じになると、言葉なんて必要なくなる。楽しむだけなら英語は要らないけど、ちゃんと関わるには英語が必要なんだよ。Available-Ad4982 (146 upvote)

「英語を話せなくても問題ない」という内向きなプライドが、国際社会からの孤立を招くのではないか、という懸念です。経済が停滞する中で、こうした姿勢が日本の将来に与える影響は大きいのかもしれません。

「飾られるだけで使われない英語」- 形だけの国際化

学校で英語を学んでも、実社会で使う機会がほとんどない。この「学んでも使わない」という現実が、日本の英語力を停滞させる大きな要因となっています。コメントでは、英語がファッションやアクセサリーのように扱われているという皮肉な指摘が見られました。

日本って、英語がすごくカッコいいものとしてあちこちに飾られてるのに、実際にはほとんど使われないっていうシステムを完璧に作り上げてるのがすごいよね。看板やスケジュールに英語がいっぱいあるほど、「もう英語は対応済み」って感じで、わざわざ触れる必要がなくなっちゃうんだよね。「英語話せない」っていうのが、まるで社会的なスキルみたいになってる。俺はずっとここにいるけど、人はいいんだけど、実際あんまり話さないんだよね。ただ伝えて、確認して、反応してるだけって感じ。 — Available-Ad4982 (369 upvotes)

この痛烈な皮肉は、多くのユーザーの共感を呼びました。英語が「必要に迫られて」学ぶものではなく、単なる「教養」や「飾り」になってしまっている現状を的確に表現しています。この状況は、実用性の欠如という問題にも繋がります。

この自動化のおかげで、日本語話者が英語話者とやり取りしなきゃいけない場面が減ったんだよね(その逆も同じだけど)。 — ItsYume (76 upvotes)

インバウンドで外国人対応が増えているにもかかわらずあまりに英語でのコミュニケーションが取れる人が少ないのを指摘する声も多くありました。

今、日本の旅館で働いてるんだけど、外国人客が6割以上いるのに、地元のスタッフのほとんどはちゃんとした英語の文章を話せなくて、お客さんとまともにコミュニケーション取れてないんだよね。実際のやり取りは、英語がフロントより上手い東南アジアのスタッフがほとんどやってる感じ。観光地なら最低限バイリンガルの人を優先して雇うと思うじゃん?でも、そうなってないみたいなんだよね。Escariota98(47 upvote)

さっき日本にいて、絆創膏が欲しくてフロントに電話したんだ。何度も事情を説明したのに、受付の人が「ダメ、ダメ、タバコ吸っちゃダメ」としか返してこないんだ…。しかもここ、客の9割が外国人のチェーンホテルなんだよ…。IngenuityMain335(36 upvote)

日常業務で英語を使う必要がなければ、英語力が錆び付いていくのは当然です。グローバル化が叫ばれる一方で、国内の多くの職場では英語が不要という現実が、皮肉な状況を生み出しています。

「バイリンガルは日本語能力を下げる」という根強い迷信

科学的根拠がないにもかかわらず、日本では「バイリンガル教育は子供の日本語能力に悪影響を与える」という迷信が根強く信じられています。こうした非科学的な考え方が、早期英語教育の普及を妨げているという指摘です。

それに加えて、子どもが複数の言語を学ぶと日本語力や知能が落ちるっていう、バカみたいな考えがめっちゃ広まってるんだよね。— Drunken_HR (79 upvotes)

このコメントは、日本社会に根強く残る「独自性」へのこだわりが、グローバルな標準からかけ離れた非合理的な信念を生み出していると指摘しています。この意見に対し、バイリンガル教育の有効性を裏付ける研究に言及するユーザーもいました。

むしろ、あなたが英語を話して、パートナーがずっと日本語を話すっていうのが一番いいみたいだよ。研究によると、これが幼い頃からネイティブレベルのバイリンガルになる裏技みたいなんだ。— Nari224 (39 upvotes)

研究によって効果が示されているにもかかわらず、古い考えが根強く残っている。このギャップこそが、日本の英語教育が抱える課題の根深さを物語っているのかもしれません。

国際競争力はこのまま下がっていく…?

日本の英語力に関するRedditの議論は、教育システムの問題から、メディアが作り出す文化的背景、さらには根強い迷信に至るまで、多岐にわたる視点を提供してくれました。

コメントからは、日本の現状を憂う声、文化的な壁を指摘する声、そして具体的な改善点を提案する声など、様々な温度感の意見が寄せられていることがわかります。

良くも悪くも、日本は外圧でしか変化してこなかった国です。もしかしたらこんな悲観的な考えすら、日本人の多くの人が抱いていないのかもしれません。

日本はどんどん落ちぶれていくんだ。英語をもっと教えることもないし、もしやったとしてもクソみたいなもんだろうね。移民も推進したことないし、これからもやらないよ 日本人は自分たちが日本語話してて、美しい国に住んでて、たくさん稼いでるから大丈夫って思ってるけど、ヨーロッパやアメリカの人たちの方がずっと稼いでるってことに気づいてないんだよね。wolfinjer(15upvote)

もちろん、ここに紹介したのは数多くのコメントのほんの一部です。しかし、これらの「生の英語」で語られる意見は、日本人が自国の英語教育や国際化について考える上で、新たな気づきを与えてくれるのではないでしょうか。