【子どもの誘拐Vol:3】子どもを失った外国人の父親たちは今どうしている?18年間会えない親が明かす苦悩と希望

近年、国際結婚の破綻に伴う親による子どもの連れ去り(parental child abduction)が話題になっています。中でも日本は法整備も遅れていることに加え、日本に連れ帰ってしまうと、憲法上の制約を理由に自国民の引き渡しを拒否する場合が多く、海外では「子ども誘拐天国」と揶揄されるほど。前回はVol:1では子どもを連れ去られた親の悲痛な声がRedditに上がっていましたが、Vol:3では、18年間子どもに会えない父親が登場。想像してみて。家族と20年も会えないって、異常じゃない?

議論の発端:当事者たちへの直接的な問いかけ

「子供の誘拐」によって、実際に子どもとの離別を経験している父親たちから、生々しい体験談が寄せられています。単なる愚痴や批判ではなく、極限状態でどのように生きているか、どのような希望を持ち続けているか。人間の尊厳に関わる深刻なコメントが集まっています。

18年間待ち続ける友人:投資と希望で繋がる絆

養育費拒否という復讐

最も多くの支持を集めたのは、とあるユーザー(164upvotes)による友人の体験談でした。

「友人は離婚して、結婚1年目で息子に会えなくなった。元妻は本当にクソで、彼が払おうとした十分な養育費まで拒否した。ただの嫌がらせでね。彼は息子のためにお金を貯めて投資してる。もしまた息子に会えるようになった時のために。もう18年くらい経ったので、息子が彼を探して、彼の言い分を聞く機会をくれることを期待してる。息子を愛することは絶対にやめなかったし、いつか会えることへの希望も決して諦めなかった。できる限りのことをするしかないんだ」

成人した子どもとの再会への希望

Route246(37upvotes)が息子の居場所について尋ねると、こんな回答が…

「どの市にいるか、だいたいのエリアは知ってるけど、それ以上詳しくは知らないよ。探偵を雇うことも考えたけど、元妻を怒らせて今よりひどくなることを恐れて、やめた。息子が彼を探して、少なくとも彼の言い分を聞く機会をくれることを期待するしかないね」

HotAndColdSand(70upvotes)は重要な指摘をしています:

「18年も経ってるなら、子どもはもう大人で、元妻の意見は法的に全く意味がないはずだよ。それでもきっと、元妻による子どもへの洗脳が続いてるのかもしれないね…。」

16年間の分離:アメリカでの逆転劇の失敗

別のユーザー(DifferentWindow1436)からは、セックスレスに陥って、子どもを連れ去られた同僚のリアルな体験談が寄せられています。

英語教師の典型的なパターン

「私と同じで、彼は90年代後半、日本で英語教師として働いていたんだ。私と違って、彼は英会話学校にとどまって、地元の高校卒業生と結婚した。彼女は中級程度の英語を話し、日本以外の生活をほとんど知らなかった(この事実が後で重要になる)

彼は結婚生活の悪化過程を詳しく説明しています。

「最初の子どもが生まれた時はまだ大丈夫だった。だけど二人目ができた頃から、金銭的なプレッシャーや価値観の違い、あとセックスレスとかが一気に重なってきた。奥さんはファストフード店で働き始めたけど、それもかなり不満そうだった。他のママさんたちは子どもができたら基本働かないから、自分だけ浮いてるって感じで(その話題になった場に俺も居合わせたけど、めっちゃ気まずかった)。一方で彼はアメリカの記憶をちょっと理想化してて、現実とのギャップが大きかったんだと思う。

アメリカでの子ども確保の試みと失敗

「で、ある日大喧嘩して奥さんは子ども連れて実家に帰っちゃった。それが最後で、一緒に暮らすことはなくなった。彼はその後も日本に1年くらい残ったけど子どもには一度も会えず、結局アメリカに戻ることに。

その後、ちょっとした策略で奥さんを子ども連れてアメリカに呼んで、そこで子どもを引き留めようとしたんだけど裁判所で『これは日本で解決するべき案件』と言われてしまった。それからもう16年くらい、彼は子どもたちと会ってない。俺たちは一応まだ連絡取れる関係だけど、彼の方からはまず連絡来ないし、うちの妻曰く『俺たちが日本を思い出させちゃうから精神的にキツいんじゃないか』って。」

学校のFacebookページで我が子を見守る父親

月1回の面会権も無視される現実

iamonewiththeforce(73upvotes)は、現在も日本で耐え続けている自身の体験を詳細に語っています:

「なんとか生き延びてるよ。心にぽっかり穴があって、それを色んな趣味で埋めようとしてる。日本に残ってるのは、元嫁が裁判所の決めた月1の面会を守る気になった時のためとか、息子が大きくなって自分から連絡してくる時のため」

彼は結婚生活での虐待体験についても明かしています。

「結婚中は元嫁から虐待も受けてて、やっとの思いで抜け出したんだ。でも結局息子は元嫁のところに残って、俺には『月に一度は会える』っていう裁判所の命令だけが残った。養育費はちゃんと払い続けてるけど、彼女はずっと面会を拒否してきた。だからもう何年も息子に会えてない。今はやっと中学生になって、たまに学校のFacebookページに載ってる写真で姿を見かけるくらい。それが情けないことだって自分でも分かってるけど、息子が写ってるのを見つけた時はやっぱり小さな希望の光みたいに感じるんだ」

うーん…。聞いてるだけで苦しくなる言葉ですね…。

裁判所命令の無力さ

jungle-fresh(8upvotes)は法的システムへの疑問を投げかけています:

「面会させる裁判所命令があって、彼女が拒否してるなら、法律を破ってるんじゃない?その命令を出した人にこれを報告したらどうなるの?」

tokyo_girl_jin(12upvotes)は現実を説明しています:

「実際には何も起こらない。ガイジンだけじゃなく、日本のすべての父親は、元妻が協力しなければほとんど頼れるものがない

iamonewiththeforce(3upvotes)は具体的な対応について説明しています:

「他の人が言った通り、効力がないんだ。私の要求で家庭裁判所は彼女が面会を許可すべきだという手紙を送ったけど、できることはその程度だ。実際に彼女に従わせる方法は知らない

養育費と面会権の分離

MktoJapan(2upvotes)は現実的な疑問を投げかけています。

「あなたは約束の片方(養育費)を守ってるのに、彼女は守ってない。だから彼女は基本的にタダでお金をもらってる。支払いをやめるか、返金を要求しろ!」

iamonewiththeforce(2upvotes)は日本の制度の現実を説明しています。

これが日本だ。養育費の支払いは強制力あるんだよ。彼女が家庭裁判所に申し立てすれば、給料や口座から直接差し押さえみたいな形で取られるし、裁判所もそれを実行する。普通の人ならそこまでしないだろうけど、彼女ならやるだろうなって思う。で、これと面会はまったく別物扱い。たとえ彼女が面会を拒否してても、それは何の考慮にも入らない。

最後にこんな皮肉めいた一言が。

「日本じゃ『お金=子どもの幸せ』って考え方らしい。」

警告サインの見分け方:なぜこうなるのか

急速な結婚への警告

AvatarFabiolous(36upvotes)は根本的な疑問を投げかけています:

「どうやってこれが起こるの?誰かとあまりにも早く結婚して『本当に』知り合う前にやるということでしかこれが起こるとは想像できない。そうでなければ、どうやって赤信号を見逃すの?確実に結婚前にその人がクソ野郎だと分かるはず?優しくて思いやりがあった人が、離婚後にそんな風に変わるなんて想像できない。これは1年後に結婚するのが一般的だから?」

人は変わるという現実

c00750ny3h(33upvotes)は長期的な関係の変化について洞察に満ちた分析を提供しています:

「人って変わるんだろうな。自分の場合、今は疎遠になっちゃった妻と出会ったのは学生の頃。あの頃はなんだかんだ楽しくやれてた。ゲームセンター行ったり、夜中2時にドンキ行って適当なもの買ったり、ラブホでやったあと24時間営業のガストで飯食ったり。家賃2万円のボロアパートに住んでても気にならなかった。

彼は時間の経過による変化を続けて説明しています。

でも15年経つと状況は全然違う。お互い仕事もあるし、子どもも育てなきゃいけない。20代の頃は気にならなかったことが、40代になるとめちゃくちゃストレスになる。皿がたまってても若い頃は笑って済ませられたけど、今はイラつく。家が散らかってても同じ。しかも仕事のプレッシャーまである。

彼は妻の仕事のストレスと自分の対応不足についても反省しています。

俺の場合は、妻が毒職場でストレス溜めすぎてたのに、自分がちゃんと支えてあげられなかったのが大きかったと思う。毎日愚痴や不満を聞いてるうちに、正直俺も疲れてしまって…。そうやって少しずつ溝が広がっていって、冷却期間を置こうって別居したら、ある日妻がブチ切れた。今はなんとかやり直せないか模索中だけど、できるのは「最善を願いつつ、最悪にも備える」ってことだけだな。

文化的な誤解と言語の壁

HotAndColdSand(62upvotes)は、外国人が陥りやすい複数の罠について詳細に分析しています:

「早すぎる結婚で「相手のことをちゃんと分かってない」まま進んじゃうパターンってあるよね。配偶者ビザ欲しさに結婚する人もいるし、日本でちょっとでも構ってくれた人とすぐ結婚しちゃう外国人もいる(もちろん全員じゃないけど)」

と前提を指摘したうえで、

「でも普通に考えたら、ヤバいサインって結婚前に気づくはずじゃない?って思うでしょ。同じ国の人からしたら「これ赤信号だろ」って分かることでも、外国人だと「文化の違いかも」で片付けちゃうこともある。あと「ワルっぽい人と付き合うのがカッコいい」と思って結婚しちゃう人もいる。でも25歳の頃は魅力的に見えたその性格も、40歳になったらただの地獄でしかない。『優しくて思いやりのある人が、離婚したら急に人が変わった』なんてことはほぼない。元からそうだったんだよ。ただ、人は「自分がヤバいやつと結婚したのは自分の見る目がなかったせい」ってあんまり言いたくないんだよね」

確かに、本質突いてるかも…

日本の建前文化の影響

SideburnSundays(13upvotes)は日本独特の文化的要因を指摘しています:

「いくら赤信号に気をつけていても、日本の文化って建前がめちゃくちゃ当たり前になってるから、本音が見えにくくてサイン拾うのマジで難しいんだよな」

日本人にとっては当たり前の本音と建前。夫婦間でも本音と建前を使い分けていることは珍しくないかもしれません。でもそれは外国人にとって、理解しがたいことなのかもしれません。

結論:絶望の中での尊厳ある生存

Reddit上での当事者たちの証言を通じて明らかになったのは、極限状態にある人間の驚くべき回復力と希望を失わない強さです。

18年間という長期間にわたって子どもとの再会を信じ続ける父親、学校のFacebookページで我が子の成長を見守る父親…。「制度だから仕方ない」と撥ねつけてしまえばそれまでかもしれません。でも彼らの諦めにも似た、静かな絶望の声には、感情を揺さぶるものがあります。

この問題の根本的な解決には制度改革が必要ですが、当事者たちは制度の変化を待つだけではありません。限られた選択肢の中で、尊厳を保ちながら生き抜く方法を見つけているのです。

彼らの証言は、制度論を超えた人間の物語として、私たちに深い問いかけを投げかけています。愛とは何か、家族とは何か、そして希望とは何か。答えは簡単ではありませんが、これらの父親たちの生き方の中に、重要なヒントが隠されているのかもしれません。