約20年ぶりに帰ってきた『鬼武者』の新作に、海外ファンは「今年のゲーム・オブ・ザ・イヤー候補」と熱狂しています。評価の中心にあるのは、表情豊かな宮本武蔵と、パリィや一閃を軸にした剣戟です。redditでは様々な評価が寄せられました。

「もう少し遊びたい」——復活作に沸く海外ファン
r/Onimushaには、クリア直後に「10点満点」「今年最高」と書き込むプレイヤーが現れました。その投稿は1,387 upvotesを集め、寄せられた感想も、細かな不満はありつつ「久しぶりにシリーズが戻ってきた」という喜びが先に立っています。
「見た目は素晴らしいし、世界観づくりも最高。物語もすごく良かった。文句を言うなら、ストーリーの合間にあるクエストやアクティビティが繰り返し気味なこと。簡単に8点、いい時は9点だと思う」— frozengoodness(50 upvotes)
「8.5点。キャラクターは最初やや平板だけど、だんだん好きになる。ボスデザインは何年も覚えていると思う。物語は基本的だけど将来性があるし、戦闘はほぼ完璧。この土台の上に積み上げられる」— Bermuda_Mongrel(17 upvotes)
完璧な作品と断言するより、「大きな欠点はあるが、それを上回る魅力がある」という評価が多いのが特徴です。だからこそファンは、採点よりも先に「この武蔵の物語を続けてほしい」と話し始めています。
「武蔵の三部作をまるごと見たい。彼のキャラクター造形は完璧だったし、主人公として本当に惹きつけられる。『五輪書』を書く頃まで、この武蔵を追いたい」— Shinted(22 upvotes)
物語を引っ張ったのは、やたら表情豊かな武蔵
新作で海外プレイヤーの心をつかんだのは、歴史上の剣豪・宮本武蔵を、近寄りがたい達人ではなく、軽口も叩けば感情も顔に出る主人公として描いたことのようです。ひょうきんだけど、一本気。暑苦しくて男臭くて義理堅い。「やるときはやる」系の主人公に惹きつけられるプレーヤーが続出しました。
三船敏郎が出演した時代劇を見てほしい、という勧めまで出るほど、海外ファンはこの武蔵に“昔の日本映画らしさ”も見ています。

「このゲームの武蔵が好きなら、三船敏郎の侍映画を見るべきだ。作品には彼のスタイルがたくさん入っていて、そのおかげで『鬼武者』はより良くなっている」— SonicTHP(49 upvotes)
「デモでは、ずっと傲慢なだけの男で、格好いいけれど深みはなさそうだと思った。だがゲームを通じた成長と(編集部注:以下ネタバレ)」— MajesticSte(2 upvotes)
「表情が本当に素晴らしく、声の演技もいい。ゲームを通じた成長もあって、ここ3、4年で好きになった主人公の一人になった」— the-real-fawzino46(2 upvotes)
物語そのものは「基本的」とする声もあります。それでも、武蔵の顔、声、軽妙さが、鬼や復讐をめぐる重い展開の中でプレイヤーを置いていかない役割を果たしています。海外ファンにとっては、どの敵を倒すかだけでなく、誰を動かすのかが続編を望む理由になっています。
義経に30回負けても、一閃でもう一度立ち上がる
ストーリーと並んで、最も多く褒められたのが戦闘です。新作『鬼武者』は、敵の攻撃を受け流すパリィ、弾き返し、回避、そして一閃をつなげる剣戟が中心です。回復にも隙が必要なため、ただ回復アイテムを使って耐えるのではなく、攻めるか守るかを選ぶ必要があります。
「回復アイテムの使用が遅いのは、たぶん意図的だと思う。使用速度を上げるスキルもあるし、防御を優先させる作りなのでは。ボス戦は、隙を作るか体勢を崩してから回復するようにできている。パリィでゲージをため、弾き・回避・一閃を使って戦うと、ボス相手でもまったく動じない剣豪になった気分になる」— Nullaby7(4 upvotes)
「戦闘面では『SEKIRO』の影響を感じるが、ただの模倣ではない。パリィは独立した魅力があって、完璧なパリィで連続攻撃を受け切ると壮大で気持ちいい。一閃を5回連続で決めたときの高揚感は、これまでのどのゲームにもなかった」— KOPLO97(2 upvotes)
そのため、難しいボスも単なるストレスではなく、「動きを覚えれば次は勝てる」と思わせる存在になっています。義経戦で苦戦したプレイヤーの投稿は、その象徴です。
「義経に30回くらい殺された。第1形態はもう完璧に対応できるのに、第2形態が越えられない。第3形態なんて考えるだけで無理。ボコボコにされている。何かコツはある?」— ResponsibleNature163(1 upvote)
主は50回くらいは殺されました…。
「3回目の巌流戦のところ。昨夜3回挑んで、いったんゲームを切った。あの投げ技のタイミングだけ、どうしても合わせられない。でも今夜は倒す。ボス戦は本当に素晴らしい。二人組ボス戦は、これまで遊んだ中でも最高クラスの2対1戦だった」— iCantCallit(2 upvotes)
「義経に30回殺された」という報告にも、ゲームをやめるという結論はありません。第1形態を覚えた先に第2、第3形態を越えたいという、攻略したくなる難しさがある。そこに、海外ファンが新作の剣戟を高く評価する理由があります。
「最初から最後まで完全に引き込まれた。キャラクター、物語、ゲームプレイ、すべて良かった。戦闘はシンプルだけど引き締まっていて、決まると報われる。ダンスのようにリズムがある」— VanderCadeMoen(8 upvotes)
でも、京都の寄り道は“濃い戦い”を薄めた
ここまでの熱狂がある一方、コメント欄には明確な不満もあります。多く挙がったのは、京都を何度も行き来する半オープンエリア、素材集めを含むサイドクエスト、そして同じボスを繰り返し戦わせる構成です。
「戦闘は10点。でも完璧なゲームではない。水増しコンテンツが多すぎるし、ボスの使い回しが評価を下げる。それでも堅実な8点で、素晴らしく記憶に残る体験だった」— Deez_Bolts(4 upvotes)
「繰り返しボスにはうんざりして、難易度を下げて飛ばした。もう4回倒したボスがまた現れると、正直だまされた気分になる」— bumtum5909(3 upvotes)
「戦闘はシリーズ最高だ。ただ、最初の2作のように、もっと焦点を絞った作品にしてほしかった。京都は本筋の体験を少し損ねている。京都は任意で稼ぎや探索をする場所にして、物語ではもっと多くの場所を探索したかった」— Zombie_X(2 upvotes)
批判の核心は、ボス戦が難しいことではありません。むしろファンは、義経や巌流のように、新しい動きと読み合いを覚える戦いをもっと遊びたがっています。不満なのは、その合間に置かれた往復や、すでに見た敵との反復です。
約20年ぶりの新作『鬼武者』は、すべてを完璧に復活させた作品ではないでしょう。それでも、武蔵という主人公と、一閃が決まった瞬間の剣戟は、次も遊びたいと思わせるのに十分でした。海外ファンが次作に求めているのは、寄り道を増やすことではありません。武蔵たちの物語と、もう一度立ち上がりたくなる濃いボス戦を、もっと見せてほしいということです。