「このパグみたいな主人公、誰?」NARUTO×忍空コラボで、海外が『忍空』に注目。実はNARUTOの源流って知ってた?

『NARUTO』と『忍空』のコラボ発表に、海外ファンは「忍空って何?」「なぜ主人公がパグみたいな顔なんだ」と困惑。ところが『NARUTO』の岸本斉史は、「忍空がなければNARUTOは存在していない」と断言しています。いやいや、忍空、めっちゃ面白いからね!!!

『NARUTO-ナルト-×NINKŪ-忍空-』の全4話コラボアニメが発表されると、英語圏のNARUTOファンからは「忍空を知らない」という声が相次ぎました。風助の見た目に驚く反応の一方で、岸本斉史が「忍空がなければNARUTOは存在しない」と語ってきた事実も共有され、忘れられた90年代作品を掘り起こす流れが生まれています。

「忍空って何?」「なんでパグみたいな顔なんだ?」

『NARUTO-ナルト-』と『NINKŪ-忍空-』の完全新作コラボアニメが発表されました。ナルト、サスケ、サクラが別世界に迷い込み、そこで風助と出会う全4話の物語です。監修は岸本斉史と『忍空』原作者の桐山光侍が務めます。

日本では1990年代に『週刊少年ジャンプ』で連載され、TVアニメにもなった『忍空』ですが、英語圏では広く知られたタイトルではありませんでした。発表を受けたRedditのNARUTOファンは、まず風助の外見に目を奪われます。

「アニメを20年以上見てきたけど、忍空が何なのかまったく知らない」— DarkJayBR(308 upvotes)

「このキャラ、見たことも聞いたこともない。なんでパグみたいな見た目なんだ?」— MetaCharger(37 upvotes)

「この企画のターゲット層は岸本斉史だ」— Euphoric18(76 upvotes)

冗談めいた最後の一言は、半分当たっています。今回のコラボは、岸本自身が長年抱いていた願いを形にした企画だからです。ただ、海外ファンが「知らない」と感じたのは、作品の知名度だけでなく、風助のあまりに独特なデザインも大きかったのでしょう。

カエル顔の主人公が戦う、元仲間たちとの因縁

『忍空』の舞台は、戦乱が終わった後の「EDO」です。風助は、忍術と空手を組み合わせたような武術「忍空」の使い手。人々を脅かす元仲間の残党と対峙していきます。集英社の単行本紹介も、「元仲間でありながら対峙する」と物語の出発点を説明しています。

見た目だけを切り取れば、風助はコミカルで小柄な少年に見えます。しかし物語の中心には、戦争の後始末と、かつて同じ側で戦った者同士の関係があります。実際に作品を説明するファンは、風助の奇抜な顔と内容の重さの落差を魅力として挙げました。

「ふざけた見た目とは裏腹に、戦闘は驚くほど苛烈で、感情的に重い。『忍空』に外から現れる敵はいなかった。いつも忍空組の残党同士が戦い、彼らには同じ側で戦った過去があった」— ComunCoutinho(17 upvotes)

風助を「なぜパグ顔なのか」と笑った人たちにとっては、これがいちばん新鮮な説明だったはずです。ギャグアニメのように見えるのに、敵にも味方だった時代がある。忍者バトルの見せ方だけではなく、戦いに過去がついて回る点も、後のNARUTOを思わせます。

「螺旋丸より前に、螺旋丸があった?」

岸本斉史は公式コメントで、「僕は『NINKŪ-忍空-』の続きを見たくて『NARUTO-ナルト-』を描きました」と明かしています。さらに「『忍空』がなければ『NARUTO』は存在していません」とまで述べ、風助を「ナルトの陰の師」と表現しました。NARUTO公式が公開した、これ以上ないほど明確な関係です。

海外ファンは、この言葉を手がかりに『忍空』の映像や設定を見直し始めました。掌に風圧を渦巻かせる技、風を操る風助、手印を使う戦闘などに、ナルトを連想する人が続きます。

「螺旋丸より前に、螺旋丸があったってこと?」— SentinelATL(4 upvotes)

「昨日、忍空の動画を見て、実は興味が湧いた。アニメの作画も、見た限りかなり良さそうだ。主人公は、螺旋丸が流行る前に螺旋丸をやっていた」— Direct-Hedgehog-595(1 upvote)

もちろん、螺旋丸や分身など、NARUTOの個々の技がすべて『忍空』から生まれたと公式が列挙しているわけではありません。それでも、岸本自身が大きな影響を認めている以上、似たモチーフを見つける海外ファンの驚きには根拠があります。

今回の制作陣にもつながりがあります。監督の阿部記之、キャラクターデザイン・総作画監督の西尾鉄也は、いずれもTVアニメ版『忍空』とNARUTOシリーズに関わってきました。コラボは単に二つの作品を並べるだけではなく、制作スタッフの系譜も含めて「ナルトの原点」に戻る企画です。

日本では90年代の人気作、海外では初見の“伝説”

海外で『忍空』を知らない人が多い理由は、世代だけではありません。英語圏では、正規に視聴・翻訳される機会が限られていたという体験談がありました。

「海外で公式に見られる機会はほとんどなかった。自分は海賊版で見るしかなかったし、後半のシーズンは英訳すらされなかった。それが本当に悔しかった」— AaaaNinja(17 upvotes)

一方、日本の放送をリアルタイムで見た海外ファンもいます。

「1990年代前半に日本で暮らしていた日系ブラジル人として、忍空を知っていた。VHSに録画した数話を何度も何度も見た。忍空のオープニング曲はいまでも懐かしい」— gmoshiro(5 upvotes)

『忍空』はOP、EDの曲が「神曲」揃いとしても有名です。ただ、90年代の海外では、NARUTOほど大規模に届きませんでした。そのため今回の発表は、懐かしい再会であると同時に、海外のNARUTOファンが「ナルトより前にあった忍者アニメ」を初めて発見する場にもなっています。

風助の顔を見て「誰だよ」と戸惑った反応は、ある意味で正直です。けれど岸本斉史にとって風助は、NARUTOを描き始める前から追いかけてきた″師”でした。パグ顔の少年を入り口に、海外ファンはいま、世界的ヒット作の足元にあったもう一つの忍者物語を見つけ始めています。