NYタイムズも興味津々、“理性と狂気”が同居する戦争ゲーム「棒倒し」——君は生き延びることができるか

防衛大学校の「棒倒し」動画が海外掲示板Redditで話題に。「俺たちの運動会は詐欺だった」「武器なしの戦争ゲーム」と驚愕の声が上がる中、実はこの競技、各チーム150人が緻密なポジション配置で戦う高度な戦略ゲームです。開成高校でも100年近く続く伝統行事であり、NYタイムズも取材した「カオスでシステマティック」な棒倒しの奥深い世界を紹介します。

「Bo-taoshi(棒倒し)」と題された1本の動画が、海外掲示板Redditのマイナースポーツ専門サブレディット「r/theocho」に投稿され、1,700件以上のupvotes(いいね)を集めました。

動画に映っているのは、防衛大学校の開校記念祭で行われる名物行事「棒倒し」です。長さ約4メートルの棒をめぐって、若者たちが殴り合い、蹴り合い、飛び交う姿に、海外のユーザーたちは度肝を抜かれました。

Play

「俺たちの運動会は茶番だった」——外国人の驚愕

俺たちの運動会がいかに貧しかったかを思い知らされた。 — rothbard_anarchist(717 upvotes)

うちの学校はドッジボールすら禁止だったのに、日本は学校でバトルロワイヤルをやってるのか? WTF? — Donoots(49 upvotes)

武器なしの戦争ゲームを作るのは日本にしかできない。 — FBI_03(10 upvotes)

LAの高校でこれをやったら人が死ぬ。 — ih8karma(12 upvotes)

彼らが驚くのも無理はありません。防衛大の棒倒しは、各チーム150人(攻撃陣75人、防御陣75人)が入り乱れる大規模な肉弾戦です。制限時間2分以内に、相手の棒を垂直線より30度以上傾けたほうが勝ちとなります。

怪我の発生率はどのくらいだと思う? — trigggered(415 upvotes)

7本以上骨折しなければ良い日だ。 — Johoku(131 upvotes)

全員がヘッドギアを着用し、首から上への打撃は反則とされていますが、それでも激しい体当たり戦であることに変わりはありません。

「カオスでありながらシステマティック」——実は高度な戦略ゲーム

一見するとただの乱闘に見える棒倒しですが、あるユーザーは本質を突いたコメントを残しています。

日本人だけが、カオスでありながら同時にシステマティックでいられる。 — rockyhadsome(12 upvotes)

まさにその通りで、棒倒しは単なるタックルゲームではありません。防衛大の棒倒しでは、ポジションごとに明確な役割が与えられています。

攻撃陣

  • 突攻:敵の棒に飛びついて倒す
  • スクラム:サークルに突っ込み、突攻の踏み台になる
  • 遊撃:味方のスクラムを敵から守る

防御陣

  • 上のり:棒に登り、敵の突攻から棒を守る
  • 棒もち:棒を支え続ける
  • サークル:遊撃棒を囲んで敵の侵入を阻む
  • キラー:敵の攻撃を妨害する

この緻密な戦略性は、防衛大に限った話ではありません。日本で最も東大や医学部への進学者を輩出する超進学校・開成中学・高校でも、1929年の開校以来、棒倒しは運動会の目玉競技として続いています。

開成の生徒たちは、この90秒の競技のために何ヶ月も前から作戦を練り、各チームの戦術は秘密裏に下級生へと受け継がれます。日本の中枢に食い込むエリートたちにとっても、「棒倒しの時、何組だった?」は世代を超えた共通言語なのです。この特異な文化は、2018年にニューヨーク・タイムズ紙でも「ワイルドすぎるスポーツ」として大々的に報じられました。

「唯一の勝利戦略」と政治への応用

Redditのユーザーたちも、動画を何度も見返すうちに、この競技の戦略性に気づき始めました。

オレンジチームの2人は最初の波で突入し、最初に捕まえた相手を押さえ込んでそのまま試合終了まで寝てる。唯一の勝利戦略だ。 — jayman419(208 upvotes)

首にコアラみたいにぶら下がって、体重で引きずり下ろす戦略もある。 — leeisawesome(115 upvotes)

攻撃側が有利な気がする。突っ込んでディフェンダーを弾き飛ばし、一度引いてからまた突撃できるから。 — hollywoodhank(26 upvotes)

そして最後は、こんなアメリカンジョークで締めくくられました。

政治の膠着状態はこれで解決すべきだ。 — Megatron_Griffin(101 upvotes)

上院でフィリバスター(議事妨害)を打ち破るためにこれをやってほしい。ヨボヨボ議員は強制引退になる。 — juanthebaker(25 upvotes)

「イカれている」と笑いながらも、その奥にある戦略性と熱量に魅了されてしまう。棒倒しは、日本の「カオスと秩序」を象徴する究極のスポーツなのかもしれません。

ちなみに防衛大では11月上旬に棒倒しが毎年公開されています。興味がある人はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?